キャリアコンサルタント試験の最新回(第31回・2026年3月実施、結果は同年4月16日発表)の結果と傾向分析を解説します。第32回は2026年7月に実施済みで、結果発表は2026年8月20日の予定です。公表され次第この記事を更新します。
過去問の全体的な傾向分析と難易度と合格率の長期推移も併せてご覧ください。
注意: 具体的な問題内容は著作権の関係で掲載できません。公式に発表されている合格率等のデータをもとにした傾向分析です。
第31回試験の結果
第31回キャリアコンサルタント試験(2026年3月実施)の主な結果は以下の通りです。
| 項目 | CC協議会 | JCDA |
|---|---|---|
| 同時受験合格率 | 58.8% | 62.9% |
| 学科合格率 | 80.9% | 79.5% |
| 実技合格率 | 63.8% | 67.8% |
| 実受験者数 | 4,917人 | 1,370人 |
| 受験者平均年齢 | 45.1歳 | 45.76歳 |
| 学科の平均点(100点満点) | 76.9点 | 76.8点 |
| 実技の平均点(150点満点) | 91.3点 | 92.1点 |
出典:キャリアコンサルティング協議会 試験結果/日本キャリア開発協会 試験結果
実技の合格基準は150点満点中90点です。平均点が91.3点と92.1点なので、平均的な答案がちょうど合格ラインの上にある状態です。学科は100点満点中70点が基準で平均76.9点ですから、余裕の幅がまるで違います。実技は少しの取りこぼしが不合格に直結すると考えたほうがよいでしょう。
受験資格ルート別の合格率
両団体は受験資格の区分別に受験者数と合格者数も公表しています。合算すると、実技で明確な差が出ます。
| 受験資格 | 実技 受験者 | 実技 合格率 | 学科 合格率 |
|---|---|---|---|
| ①養成講習修了者 | 4,904人(88.1%) | 65.7% | 80.4% |
| ②実務経験者 | 639人(11.5%) | 56.8% | 82.4% |
| ③技能検定の片方合格者 | 25人(0.4%) | 56.0% | 66.7% |
出典:両団体の第31回試験結果「受験資格別結果」を合算し、当サイトで比率と合格率を算出。実技の受験者は合計5,568人で、内訳の合計と一致します。
学科では実務経験者の方が上でした。ところが実技では養成講習修了者が8.9ポイント上回っています。第30回でも同じ向きで、差は11.6ポイントありました。相談の実務経験があっても、試験の面接で求められる型は別に身につける必要があるということでしょう。ただし公表データから読み取れるのは差が存在することまでで、その原因までは確かめられません。対策に割ける時間や年齢層の違いなど、別の説明も成り立ちます。
受験者の構成にも注目してください。実技受験者の88%が養成講習ルートです。受験資格の3ルートのうち、実質的に使われているのは①と②の2つだけだということが、この数字からも読み取れます。
直近3回の合格率比較
| 回 | 実施時期 | 団体 | 同時受験 | 学科 | 実技 |
|---|---|---|---|---|---|
| 第31回 | 2026年3月 | CC協議会 | 58.8% | 80.9% | 63.8% |
| JCDA | 62.9% | 79.5% | 67.8% | ||
| 第30回 | 2025年11月 | CC協議会 | 56.7% | 77.6% | 63.0% |
| JCDA | 63.0% | 77.8% | 68.2% | ||
| 第29回 | 2025年7月 | JCDA | 58.5% | 73.6% | 64.5% |
出典:キャリアコンサルティング協議会 試験結果/日本キャリア開発協会 試験結果。第29回のCC協議会分は、同協議会が試験結果を直近2回分しか掲載しておらず一次資料に戻れないため掲載していません。
学科が第29回の73.6%から第31回の80.9%まで上がる一方、実技は63〜68%の範囲で動いていません。同時受験の合格率が6割前後で止まっているのは、この実技が理由です。学科の易化は同時受験の合格率にほとんど効いていないということになります。
詳細な回別データはCC協議会(career-shiken.org)およびJCDA(jcda-careerex.org)の公式サイトで確認できます。
CC協議会 vs JCDAの違い
| 項目 | CC協議会 | JCDA |
|---|---|---|
| 正式名称 | キャリアコンサルティング協議会 | 日本キャリア開発協会 |
| 学科試験 | 同一問題(共通) | |
| 論述試験 | 事例分析、CCとしての見立てと方針 | クライエントの感情・気付きへの注目 |
| 面接試験 | 15分のロールプレイ + 5分の口頭試問 | 15分のロールプレイ + 5分の口頭試問 |
| 面接の評価区分 | 態度 / 展開 / 自己評価 | 主訴・問題の把握 / 具体的展開 / 傾聴 |
| 第31回の実技合格率 | 63.8% | 67.8% |
出典:キャリアコンサルティング協議会 よくあるご質問(career-shiken.org/faq/14483/)、日本キャリア開発協会 試験要項
学科は共通問題ですが、実技の評価区分は団体で名称も観点も異なります。JCDAはいずれの区分でも満点の40%以上が必要です。合格率にも数ポイントの差が出ますが、回ごとに動くため合格率の高さで選ぶ根拠にはなりません。自分の受講した養成講習がどちらに対策しているかを基準にするのが基本です。
学科試験の傾向
- キャリア理論は引き続き最重要分野: スーパー、ホランド、シャイン、サビカス、シュロスバーグ等は毎回出題される定番
- 最新の白書・統計データからの出題: 「労働経済の分析」「能力開発基本調査」等の最新版は必ずチェック
- 法改正関連: 直近の労働関係法規の改正は時事問題として出題されやすい(労働施策総合推進法、育介法、男女雇用機会均等法等)
- メンタルヘルス・多様な働き方: ストレスチェック制度、テレワーク関連、ダイバーシティ等の出題が一定数
- 政策動向: 人材開発支援助成金、リスキリング、教育訓練給付金など労働政策の最新情報
学科で頻出のテーマ(直近3回の傾向)
| 分野 | 出題比率(推定) | 主要トピック |
|---|---|---|
| キャリア理論 | 20〜25% | 主要理論家10名以上の理論の使い分け |
| カウンセリング理論・技法 | 15〜20% | マイクロカウンセリング、コーチング技法等 |
| 労働関係法規 | 15%程度 | 労基法、育介法、雇用保険法、男女雇用機会均等法 |
| 労働市場・経済 | 10〜15% | 白書、統計、雇用動向 |
| 能力開発・人材育成 | 10%程度 | OJT/Off-JT、教育訓練給付金 |
| メンタルヘルス | 10%程度 | ストレスチェック、4つのケア |
| その他(産業組織心理、倫理等) | 10%程度 | 倫理綱領、スーパービジョン |
実技試験の傾向
- 面接試験: 「傾聴」「関係構築」が引き続き評価の基本。アドバイスを急がない姿勢が重要
- 論述試験: 「相談者の問題」と「CCとしての見立て」を区別して記述する力が問われる
- 多様な相談テーマ: 転職、人間関係、キャリアチェンジに加え、ワークライフバランスやセカンドキャリアの事例も増加
- 口頭試問対策: ロールプレイ後の口頭試問では「展開のポイント」「自身の課題」を冷静に振り返って答える
- 時間管理: 15分のロールプレイ全体の中で、傾聴・関係構築・相談者の自己理解促進・展開を意識
論述試験のポイント
- 事例文の読み取り: 相談者が「何を語ったか」「何を語っていないか」を区別する
- 主訴と問題の見立て: 主訴(相談者の表面的な悩み)と、CCの見立てる問題(背景・本質)を区別して記述
- 具体的なアプローチ: 抽象的な「傾聴します」ではなく、何を聞き、何に注目するかを具体的に
- 時間配分: 全体50分の中で、読解10分・問題分析15分・記述25分が目安
面接(ロールプレイ)のポイント
- 最初の3分: 関係構築。相談者の話を遮らず、表情・トーンに注意を向ける
- 中盤7分: 主訴を深掘り。相談者の感情・価値観・経験を丁寧に確認
- 後半5分: 自己理解の促進、または問題の整理。具体的な解決策を急がない
- 口頭試問対策: ロールプレイで「できなかったこと」を素直に認め、「次はこう改善する」と建設的に答える
実技試験の具体的な対策ガイドでロールプレイ手順をさらに詳しく解説しています。
次回試験への対策ポイント
- 学科: 過去問3〜5回分を繰り返す + 最新白書・法改正の確認。模擬試験で時間配分の感覚を掴む
- 論述: 事例の読み取り精度と時間配分を練習で改善。最低10事例以上は書く練習を
- 面接: ロールプレイの練習を最低10回以上。録音して振り返る or 仲間と相互フィードバック
- 合格ラインの意識: 学科70%、実技60%を安定して超える実力を目標に
- 口頭試問対策: 自分のロールプレイを言語化して説明する練習を
- 体調・メンタル管理: 試験当日に最高のパフォーマンスを出せる準備を1週間前から
合格までに必要な学習時間目安
| 受験者層 | 学科対策 | 実技対策 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 養成講習修了者(標準) | 50〜80時間 | 30〜50時間(ロールプレイ含む) | 80〜130時間 |
| 実務経験者(独学) | 80〜120時間 | 50〜80時間 | 130〜200時間 |
| 未経験+独学(実務経験ルート) | 120〜200時間 | 80〜120時間 | 200〜320時間 |
養成講習を修了済みの方は基礎が完成しているため、追加の試験対策時間で合格を目指せます。実務経験ルートで独学の方は学科・実技ともにより多くの自己学習時間が必要です。
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