キャリアコンサルタントの資格取得を検討する際、費用は大きな関心事です。養成講座の受講料だけでなく、受験料や登録料なども含めた総費用を把握しておくことが重要です。
この記事では、主要な養成講座の費用と特徴の比較、教育訓練給付金の具体的な計算例、講座選びのポイントまで、費用に関する情報を包括的にまとめました。受験資格の確認はこちら。
資格取得にかかる総費用の目安
養成講座ルートで資格取得を目指す場合、おおまかな費用の内訳は以下の通りです。
| 費用項目 | 金額の目安 |
|---|---|
| 養成講座受講料 | 198,000〜437,800円(中央値322,300円) |
| 受験料(学科+実技) | 38,800円 |
| 登録手数料 | 8,000円 |
| 登録免許税 | 9,000円 |
| テキスト・参考書 | 約5,000〜10,000円 |
| 合計(給付金なし) | 約26万〜50万円 |
| 合計(給付金50%が適用された場合) | 約16万〜28万円 |
※受講料は厚生労働省「キャリアコンサルタント講習検索サイト」2026年5月29日時点の23講習の実測値。給付金は対象講座かつ受給要件を満たす場合の50%(年間上限40万円)で試算しており、70%・80%はさらに条件が必要です。入学金や教材費が別途の講座もあるため、合計は各講座の条件により上下します。
主要養成講座の費用比較
厚生労働大臣の指定を受けた養成講習は、全国で23講習しかありません。厚生労働省の講習検索サイトから全件を洗い出し、受講料の安い順に並べたのが次の表です。
| 受講料(税込) | 時間 | 実施機関 | 受講形態 | 掲載情報の注記 |
|---|---|---|---|---|
| 198,000円 | 162時間 | リバース | オンライン | キャンペーン価格、教材費込 |
| 198,000円 | 159時間 | リバース | 対面(開催地の掲載なし) | - |
| 198,000円 | 161時間 | 労働調査会 | オンライン | - |
| 250,000円 | 179.5時間 | 東京アカデミー | オンライン | - |
| 285,300円 | 164時間 | 東海道シグマ | 通学(静岡県) | 専門実践教育訓練給付金の対象。対象外の場合は最大10万円オフの独自キャンペーン |
| 294,000円 | 160時間 | 大原学園 | 通学(東京都、大阪府)またはオンライン | 別途、入学金6,000円 |
| 297,000円 | 170時間 | キャリアサポーター | 通学(青森県、岩手県、愛知県) | - |
| 297,000円 | 150時間 | 地域連携プラットフォーム | オンライン | テキスト代含む。各種特典で最大27,000円引き |
| 297,000円 | 172時間 | テクノファ | オンライン | 早期申込+会員割引の併用で20%引き、説明会参加や修了生紹介で10%引き |
| 308,000円 | 158時間 | グローバルテクノ | 通学(東京都) | 入学金不要、テキスト・資料代含む |
| 308,000円 | 153時間 | 日本カウンセリングカレッジ | 通学(東京都) | 教材費込。各種割引適用で278,000〜298,000円 |
| 322,300円 | 158.5時間 | ヒューマンアカデミー | 通学(北海道ほか17都府県)またはオンライン | 別途、入学金55,000円と教材費 |
| 330,000円 | 150時間 | キャリアドライブ | 通学(神奈川県) | 入学金不要、教材費込み |
| 330,000円 | 150時間 | 東京リーガルマインド | 通学(北海道ほか15都府県)またはオンライン | 受講料・テキスト代含む。各種割引制度あり |
| 330,000円 | 153時間 | 日本産業カウンセラー協会 | 通学(北海道ほか24都府県) | テキスト・資料代含む。早期割・説明会割で308,000円、会員・学割で297,000円 |
| 346,500円 | 150時間 | 関西カウンセリングセンター | 通学(大阪府) | テキスト・資料代含む |
| 352,000円 | 150時間 | 日本キャリア・マネージメント・カウンセラー協会 | オンライン | 説明会参加+開講2か月前月末までの申込で早期割引。分割払いあり |
| 357,500円 | 163時間 | 関西生産性本部 | 通学(大阪府) | 会員割引あり |
| 360,800円 | 150時間 | リカレント | 通学(北海道ほか12都府県)またはオンライン | 別途、入会金・教材費 |
| 385,000円 | 150時間 | パソナ | オンライン | 税・入学金・教材費込 |
| 396,000円 | 150時間 | キャリアカウンセリング協会 | 通学(東京都、大阪府)またはオンライン | 受講料・テキスト代含む |
| 396,000円 | 186時間 | 日本マンパワー | 通学(北海道ほか15都府県)またはオンライン | 専門実践教育訓練給付制度の指定講座。入学金不要、教材費込、振替無料、割引制度あり |
| 437,800円 | 150時間 | リカレント | 通学(東京都、神奈川県、愛知県、大阪府)またはオンライン | 別途、入会金・教材費 |
出典:厚生労働省「キャリアコンサルタント講習検索サイト」2026年5月29日時点の掲載情報を全件集計。注記欄は同サイトに掲載されている内容をそのまま整理したもので、記載のない講習に追加費用がないことを保証するものではありません。最終的な金額は必ず各実施機関の公式サイトでご確認ください。
掲載価格の順番は、そのまま総額の順番ではない
受講料は198,000円から437,800円まで、最安と最高で2.2倍の開きがあります。中央値は322,300円です。ただし、この並び順をそのまま「安い順」として受け取ると判断を誤ります。掲載価格に何が含まれているかが講習によって違うからです。
掲載情報で追加費用が明記されているのは4講習です。
- ヒューマンアカデミー:322,300円に加えて入学金55,000円と教材費。入学金だけで377,300円になり、表の中ほどから上位の価格帯に移ります
- リカレント:360,800円と437,800円の2講習とも、入会金と教材費が別途
- 大原学園:294,000円に加えて入学金6,000円
逆に、入学金も教材費も含んだ総額であることを明記しているのは4講習あります。グローバルテクノ(308,000円、入学金不要・テキスト資料代含む)、キャリアドライブ(330,000円、入学金不要・教材費込み)、パソナ(385,000円、税・入学金・教材費込)、日本マンパワー(396,000円、入学金不要・教材費込)です。パソナと日本マンパワーは掲載価格では高い部類ですが、ここから積み上がる費用がありません。
時間数の違いも効きます。150時間の講習が多いなか、日本マンパワーは186時間で最長です。時間あたりに直すと、もっとも安いのはリバースの162時間の講習で1時間あたり約1,222円、もっとも高いのはリカレントの437,800円の講習で約2,919円と、2.4倍の差になります。
もうひとつ、割引の記載が多い点も見落とせません。テクノファは早期申込と会員割引の併用で20%引き、日本産業カウンセラー協会は早期割や説明会割で330,000円が308,000円、会員・学割なら297,000円になります。説明会への参加が割引条件になっている講習が複数あるので、申し込む前に説明会を挟むだけで数万円変わることがあります。
受講形態は23講習中15講習が通学を含み、7講習がオンラインで完結します。残る1講習は講習名が「対面」となっているものの、開催地と形態が掲載されていないため実施地域を確認できません。通学型は開催地が限られるので、地方在住であれば実質的な選択肢はオンライン完結の7講習が中心になります。ただし通学型のうちヒューマンアカデミーは18都道府県、日本産業カウンセラー協会は25都道府県で開催しており、地方でも通える講習はあります。
各スクールの特徴比較
費用だけでなく、各スクールには受講形式やサポート体制に違いがあります。
| スクール | オンライン対応 | 特徴 |
|---|---|---|
| 日本マンパワー | 通信+スクーリング可 | 養成講座の老舗。通信教育と対面のハイブリッド型。全国各地でスクーリング開催 |
| LEC | オンライン受講可 | 資格予備校としてのノウハウ。試験対策に強い。法律系科目が手厚い |
| リカレント | ライブ通信あり | 少人数制クラス。実践的なロールプレイ練習が充実。修了後のフォローアップ講座あり |
| ヒューマンアカデミー | 一部オンライン対応 | 全国展開で通学アクセス良好。多様な資格講座との組み合わせ受講が可能 |
| パソナ | オンライン対応あり | 人材業界大手ならではの実践的カリキュラム。修了後のキャリア支援も |
※各スクールの特徴はコースにより異なります。詳細は資料請求や無料説明会でご確認ください。
教育訓練給付金で費用を抑える方法
多くのキャリアコンサルタント養成講座は、厚生労働省の「専門実践教育訓練給付金」の対象です。条件を満たせば、受講費用の大幅な軽減が可能です。
専門実践教育訓練給付金の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ①受講修了時 | 受講費用の50%(年間上限40万円) |
| ②資格取得+就職 | 合計70%(年間上限56万円) |
| ③修了後の賃金が5%以上上昇 | 合計80%(年間上限64万円)※受講開始日が2024年10月1日以降であることが条件 |
| 受給要件 | 雇用保険の被保険者期間が3年以上(初回は2年以上) |
| 手続き | 受講開始の2週間前までにハローワークへ |
出典:厚生労働省「教育訓練給付制度」※制度内容は変更される場合があります。最新情報はハローワークでご確認ください。
給付金の具体的な計算例
受講料40万円の養成講座を受講した場合の計算例です。
| 段階 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 受講料 | - | 400,000円 |
| ①受講修了時(50%支給) | 400,000円 × 50% | -200,000円 |
| ②資格取得+就職(合計70%) | 400,000円 × 20%を追加 | -80,000円 |
| ③修了後の賃金が5%以上上昇(合計80%) | 400,000円 × 10%をさらに追加 | -40,000円 |
| 実質負担額(①のみ) | - | 200,000円 |
| 実質負担額(①+②) | - | 120,000円 |
| 実質負担額(①+②+③) | - | 80,000円 |
※②は受講修了日から1年以内に資格取得し、かつ雇用保険の被保険者として就職した場合に支給されます。③はさらに修了後の賃金が受講開始前より5%以上上昇していることが条件で、受講開始日が2024年10月1日以降である必要があります。在職中で転職を伴わない場合は①のみとなるケースが一般的なので、80%を前提に資金計画を立てるのは避けてください。年間の上限額があるため、講座によっては上限で頭打ちになります。詳細はハローワークでご確認ください。
ポイント: 在職中の方でも受給要件を満たせば①の50%給付は受けられます。40万円の講座なら実質20万円の負担で受講可能です。
給付金の申請手順
- 受給資格の確認: ハローワークで受給資格があるか確認
- キャリアコンサルティングの受講: ハローワークでジョブ・カードを使ったキャリアコンサルティングを受ける(必須)
- 受給資格確認の申請: 受講開始の2週間前までにハローワークで手続き
- 養成講座の受講: 対象講座を受講
- 支給申請: 受講修了後にハローワークで支給申請
重要: 受講開始前にハローワークでの手続きが必要です。講座に申し込んでからでは間に合わない場合がありますので、早めに確認しましょう。
講座選びのポイント
費用だけでなく、以下の点も考慮して自分に合った講座を選びましょう。
1. 通学形式・開催場所
通学のみ、通信+スクーリング、完全オンラインなど、講座によって形式が異なります。自分のライフスタイルに合った形式を選ぶことが継続のポイントです。
2. 開講スケジュール
平日コース、週末コースなど、受講スケジュールは講座によって異なります。仕事との両立を考慮して選びましょう。
3. 合格実績・サポート体制
講座修了後の試験対策サポート(模擬試験、ロールプレイ練習会など)があるかどうかも確認ポイントです。
4. 教育訓練給付金の対象かどうか
対象講座かどうかで実質負担が大きく変わります。厚生労働省の「教育訓練給付制度 検索システム」で対象講座を検索できます。
5. 試験団体との対応
CC協議会向け・JCDA向けなど、特定の試験団体に対応した実技対策を行っている講座もあります。自分が受験する団体に合った講座を選ぶと効率的です。試験対策の詳細や養成講座のおすすめ比較も参考にしてください。
受験料・登録料などその他の費用
養成講座以外にも、以下の費用がかかることを把握しておきましょう。
| 費用項目 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 学科試験受験料 | 8,900円 | 不合格の場合、再受験のたびに必要 |
| 実技試験受験料 | 29,900円 | 不合格の場合、再受験のたびに必要 |
| 登録手数料 | 8,000円 | 合格後の名簿登録時に1回 |
| 登録免許税 | 9,000円 | 合格後の名簿登録時に1回 |
| 更新講習(5年ごと) | 10万円強が目安 | 知識講習8時間 + 技能講習30時間 |
※金額は変更される場合があります。最新情報は各試験団体・厚生労働省の公式サイトをご確認ください。